第178回 音楽と社会貢献

最近、音楽と言う仕事をすることに関して考える事があります。

こんにちは。
トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師のかたさんです。

【リトルエンジェルス】

ずいぶん前の話になりますが、リトルトロンボーンエンジェルスとしてコンサートをしました。
母体であるトロンボーンエンジェルスという名前では20年以上活動を続けています。
エンジェルスは20名以上の大編成アンサンブルですが、今回はそのメンバー数名でコンサートをしました。
なので“ちっちゃいエンジェルス”ということで「リトルエンジェルス」と名付けたのです。

リトルエンジェルスは、エンジェルスの中では発足当時からいるメンバーがほとんどで、エンジェルスメンバーとしては古株ばかりです。
エンジェルスとはコンセプトを変えて、キャフェなどお客さんと近い距離で演奏できる空間で、馴染の曲を多く取り入れ、気楽に聴いていただけることを主旨としてコンサートを企画しました。

30名ほどのお客様相手のコンサートでしたが、皆さんに喜んでいただけたようで、我々も楽しんでできました。

そしてこのコンサートを開く意味は、実はもう一つありました。

【音楽でする社会貢献】

先ほども書きましたが、このリトルエンジェルスメンバーはエンジェルスの中でも古株です。
なので、必然的に活動運営の中心になっているのです。

このリトルエンジェルスでコンサートをしようと思った一番の意図は、若いメンバーにもエンジェルスの活動を積極的にもりあげ、未来のエンジェルスの活動を担ってほしいと言うものでした。
我々ベテランが活動意志の積極性を見せる事で、若いメンバーもエンジェルス活動に積極的に参加してほしいと言う思いです。

しかし、これはエンジェルスに限ったことではなく、社会全体に対しての積極的な参加であり貢献と言う意味でもあります。

音楽家の中でも我々演奏に携わる者は、演奏をすることはもちろん、音楽を後世に伝えていくということも音楽家として必要で、義務であると私は考えています。

私は音楽を仕事にしています。
演奏や指導がそのメインです。

仕事というものは、それを得ることがある意味社会貢献にもなるわけで、仕事に対して積極的であると言う事は、社会に対しての貢献度も積極的であるという意味だと私は思っています。

なので、音楽家としての仕事を得ることは大切だと思っています。

「音楽を仕事にする」ということは、一部のアマチュアさんの間ではあまり良い顔されません。
「音楽は楽しむものであり、金の為にするものではない」という考え方から起こる感情のようです。

これには、私は一理あると思います。
お金が絡むと、純粋に楽しめない環境になったことは数知れないからです。

ここで先ほどの話が大切なのです。
音楽を仕事にすることは、それ自体が社会貢献になっているという事なので、これは純粋に音楽を楽しむ以上の喜びがあると私は思いますし、実際にあります。

【芸能人と芸能活動】

音楽家というのは、職種で言うと「芸能人」になります。
芸能人というと、役者、歌手、タレントやお笑い芸人をイメージしますが、雅楽、能も含め音楽家もその範囲の仕事です。

タレントなどの芸能人がすることの一つに、テレビを中心とするメディアへの露出があります。
タレントがメディアに登場するのは、それがそういう仕事だからです。
これが音楽家なら、コンサートの舞台やレッスンで生徒と向き合うことになります。

どちらも人前で何かをし、見ている人聴いている人たちに笑いや涙、学び、感動を提供するのです。
見ている人たちに、心の中にある感情や思考に影響を与える仕事、それが芸能活動です。

【やりがい】

音楽を仕事にすると言うことは、それ自体がすでに人々の気持ちに影響を与える事なのです。

音楽を仕事にしている人は「音楽が好きだから」という理由の人が多いでしょう。
当たり前です。
好きだから続けられるんです。

でも、仕事にしてなくても音楽が好きな人は世界中たくさんいます。
「好き」と同じくらい、それ以上かな、別の何かがあるから仕事として続けられているのです。
それは、仕事としての意義、私の言葉で別の言い方をすれば「やりがい」です。

この「やりがい」には、人それぞれのやりがいがあるでしょう。
私のそれは、「人の役に立ちたい」という思いでした。
それが感じられた時に、特にやりがいを感じます。

人の役に立つと言うことは、それだけで社会に対して貢献していることになります。

企業にお勤めの方は、我々が日常生活をより快適に暮らせるようにするため、自社製品の性能をアップさせることを日々研究され、それが実際使われるように外向けにアピールします。
こうして、消費者はより快適な生活を手に入れ、企業は利潤を得ると言う健康的な流通ができます。

音楽も同じだと思います。
音楽家が音楽で社会貢献できているならば、あるいは自身がそう思えるなら、音楽でお金をもらうことは、何ら問題ではないと思います。
それが社会人なのですから。

問題になるのは、芸能人や音楽家の慢心により生まれる横柄な態度や、それによる人との軋轢です。
仕事そのものは素晴らしいものなのです。

冒頭に書いたエンジェルスの若いメンバー、また日本にいる若手演奏家や輝く未来の音楽家の卵の皆さんにも、音楽家は、音楽を通し社会に対する貢献をする社会人であるという事を認識し、それを誇りに思い音楽活動に勤しんでいただきたと思います。

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