第172回 トロンボーンの左手 ~指の使い方編~

久しぶりに楽器、トロンボーンのお話です。

こんにちは。
トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師のかたさんです。

【左腕手が疲れるトロンボーン】

トロンボーンという楽器は、デカくて重くて、しかもバランスが悪い楽器です。(=持ちにくい)
トロンボーンあるある問題として「左腕(手)が疲れる」がトップでしょう。
私自身、アレクサンダーテクニークを学んでからも未だにこれは探究し続けている問題です。

さて、この左手のことについてはブログでもいくつか書いています。
初期の頃に書いた物も多いのですが、それらはこちらです。

https://ameblo.jp/ni2ko5ni2ko/entry-12219211567.html

これらの中で指のことにも触れていますが、今回は指の方向性という話になります。

【支柱を「握る」】

トロンボーンを持つには、左手で支柱を包むように握るですが、この時の指の使い方についていいヒントがあります。

握力が最も強い指は小指です。
掌を見てください。
小指の下は膨らんでいるでしょう。

小指には、母指(親指)を除いた他の指よりも握るための筋肉が多いのです。
お相撲さんは、小指で相手を持ち上げると言います。
正確には腕全部の筋力を使うのですが、小指にかかるエネルギーは相当なもので、それにも耐えうる力があるんですね。

さて、その握る力が強い小指ですが、使い方によってはより楽に力を使うことができます。
その方法の一つに「握らない」というものがあります。

【握る→指が伸びていいく】

握ると言う言葉は、いかにも力を使えそうな活力ある表現ですよね。
「拳を握る」なんて、自分のモチベーションを上げるのにも使えそうですし、何か勝負に勝った時などは握り拳を作って喜びを表現したりします。

しかし、いかに力持ちの小指とは言え、その筋肉の量は他の筋肉に比べると少ないのでバテやすいです。
バテてしまいやすいとはいえ、少しでもそれが遅らせる事ができたらいいですよね。

そこで私が提案するのは、握ると言う意識を止め、違う方法で楽器を持つことです。

トロンボーン持つための左手の働きは、支柱を持つことです。
その支柱を持つ時に少し違うアプローチをしてみましょう。

支柱を持つときに、蛇が木の枝に巻きつくように支柱に指を絡めていくのです。
結果的に、指が支柱を巻くような動きになります。

この時に私が使っている表現は、「指先リードで支柱に指を巻く」です。
指の爪先方向に指が伸びる、あるいは爪の先がリードして指が伸びていき支柱に巻きついて行くことで、指の屈筋(握る筋肉)を使う意識が無くなります。

巻きつきの導入は、冒頭の画像のように支柱に対して手が斜めに入っていき巻きついて行きます。

支柱に対し斜めに手が入り・・・

支柱に沿って・・・

指が伸びるように巻きついて行き・・・

はい、セット完了!

もちろん、指が曲がるので実際には屈筋は使われます。
しかし、握る意識ではないので、最低限の筋力で指が曲がります。

そして支柱に巻きついた状態を続けながら、腕を使い楽器を持ち上げます。
この「支柱に巻きついた状態を続ける」という意識がポイントですよ。
先ほどの私の表現を使えば「指先がリードし続けている」ことになります。

【長くなることを意識】

手を握って力こぶをギュッと作ってみてください。
これをすると、人によっては肘や指が痛くなる人もいます。
これは関節が筋力に負けて悲鳴を上げている時です。

まあ、楽器を持つのにここまで握る事はないですが、これに例えると握り過ぎは関節を必要以上に縮めてしまい、力みを生んだりバテを促進してしまいます。
目いっぱい握っている人はいないと思いますが、私の専門のバストロンボーンはテナーよりも重いので、どうしても握る力を使ってしまいます。
握力は必要ですが、出来れば最低限で済ませたいとは思いますよね。
それには、関節がギュッと縮こまってしまわない、逆の伸びていく方法を使うといいわけです。

さて小指に話を戻すと、小指の屈筋は掌だけでなく前腕にも多く存在しています。
トロンボーンで疲れるのは、正確には手ではなく前腕でしょう。
指だけでなく手首の関節を動かす筋肉も前腕にあるので、とにかく肘から先を動かす筋肉は前腕に集中しています。
指を指先リードで支柱に沿って巻き、手首の関節も縮めるより長くなるつもりで楽器を肘から曲げて持ち上げてみてください。

このやり方で楽器を持つのが楽になった生徒はたくさんいました。
お試しください。

さて、次回はその続きで腕の方を書きます。

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