第179回 腕が呼吸に影響を与えていた その2

トロンボーンを吹く男子高校生のお話です。

こんにちは。
トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師のかたさんです。

同タイトルの過去ブログがありますので、こちらもご覧ください。
https://ameblo.jp/ni2ko5ni2ko/entry-12445006193.html

【背中が筋肉痛】

この生徒、この日のレッスンの前日に学校で大縄跳びがあったらしく、背中、腰、脚が筋肉痛になってしまい、息が吸いにくいと言う状態でのレッスンでした。

身体を見るまでもなく、音出しの音を聴いているだけで調子が良くないのがわかりました。
無理をして吹いているような音で、音が不安定に揺れながら上ずってます。

背中の痛いところを教えてもらい触ってみると、確かに筋肉が張っているところがありました。
さて、実際何が起きてるか、見てみましょう。

【何が呼吸しづらくしているのか】

背中の筋肉が張っていると言うことは、そこが収縮していると言うことです。
いわゆる、凝っている状態です。
しんどいのか、背中をグルグルと動かしています。

ロールダウンという運動があります。
こんなやつです。

頭から順に関節を一つずつ曲げていき、上のように体を丸めていく動きです。
この要領で、背中を丸める動きをしてもらいました。

背中を意識しすぎて、背中を反るような動きを多くしていたので、逆に丸める事をしてもらいました。

その後吹いてもらうと少し呼吸がしやすくなったと言っていました。
しかし、まだ吹き難そうです。

もう私には、この時点でこの原因が見えました。
それは、背中の筋肉痛と間接的に結びついていました。

色々話す前に、生徒が音を出している状態のまま私は彼の楽器をひょいっと軽く持ち上げました。
すると、息が吐きやすくなったという感想が出ました。
これが意味するのは、どういったことなのでしょう。

【背中が腕の使い方に影響】

腕を動かす筋肉は、実は背中にも多く有ります。
今回筋肉痛を生んでいた筋肉は僧帽筋のようでしたが、その影響は広背筋も現れていたようです。

上の図の赤いところが広背筋です。
背中に多くあることから、いわゆる「背筋」と呼ばれるものです。

この筋肉は腕に繋がっており、主に腕を肩関節から後ろに動かすものです。
動きの例は、クロールで前から後ろに腕をかく、オールをこぐ、懸垂で頭の上にある腕を脇のところまで折りたたむなどです。

背中にある僧帽筋が張っているため、広背筋もつられて腕を後ろに引っ張る力が働いているたようです。

トロンボーンを構えた姿勢で広背筋が働けば、腕を下に下げる事になります。
広背筋は、肩関節から後ろ方向に腕を動かす(伸展)のですから、前にある腕は、下方向に向かいます。

彼が呼吸がしにくいと言っていた原因は、この腕の下がりでした。
いつもの感覚で吹くよりも腕が下がっており、アンブシュアーがマウスピースと共に顎の方にずり下げられていたのです。
楽器が唇に凭れ掛かるようになっていた、そんな表現でしょうか。
しかも、この凭れ掛かりは上唇のみで、下唇の密着は逆に減っていたのです。

今回の生徒の場合、背中の痛みが腕を後ろへ動かすことに繋がり、それが腕を下げるうごきになって、結果上唇はずり下げられ下唇は密着が減る。
アンブシュアーは安定を無くし、何とかそれに対応しようとした呼吸が一番影響を受けたようです。

背中-腕-アンブシュアー-呼吸と、身体全部の繋がりがよくわかるレッスンでした。

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