第196回 「~ができない」を考える

トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師のかたさんです。

「〇〇ができません」

レッスンで生徒さんからよく出る言葉です。
え~、私も人の事言えません(笑)
同じく私も生徒の立場では何度も口にしました。

今日は、この言葉の持つ意味を考えてみましょう。

【「できない」に含まれる2つの意味】

例えば「息が上手く吸えません」「大きい音が出ません」など、演奏上起きる不都合を「それができない」と表現しますよね。

この「できない」には、どうやら2通りの意味が含まれている様なのです。

それは、
①やり方を知らない
②何か邪魔している

この2つ、どちらも出来ない理由と思われがちですが、実はそうではありません。

【①やり方を知らない】

物事を進めていくのに、そのやり方を知らなければできません。
(「わからない」というのも含むかもしれませんね)

例えば私の好きな焼きそばを例にしましょう。

焼きそばを作るのに、作り方を知らない、調味料を知らない、材料を知らない、そもそも焼きそばを知らない、では焼きそばは出来ません。

これは「知らないから出来ない」のです。

当たり前のことですよね。
知らなきゃできないです。
なので、やり方を知らないことは「できない」理由として成り立ちます。

【②何か邪魔している】

焼きそばを食べたいんです。

焼きそばはよく知ってるし、食べたこともある、使われる調味料や材料だって知ってるし、それらを使って大体の作り方もわかっているのに「できない」という人がいたら、「どうして?」となるでしょう。

例えば奥様方、旦那が焼きそばの材料、調味料、作り方まで知っていて「できないから作って」と言ったらどう思います?

「ふ ・ ざ ・ け ・ ん・・・・・・・っな!(--〆)
作れや~~~!ビシバシッ」

ってなりません?
こりゃあ恐ろしい。

この旦那さん、まあお分かりでしょうが、出来ないんじゃなくて作りたくないんですよね。
作りたくない理由は色々あります。
面倒くさいとか、美味しく出来ないとか。
後者に付随する理由として、美味しくないもを食べたくないとか、不味いと奥さんに文句言われるとか。

前者のような自己中心的なものから、後者の後後のことが気になってしたくないという理由があるにも関わらず、なぜ旦那さんは「できない」というのでしょう。
実は、先ほど書いたようなその理由が大切なのです。

【出来ないわけじゃないものを出来ないものとしてしまう】

旦那さん、焼きそば作れるんです。
でも「できない」って言ってしまうんです。

楽器に例えましょう。
大きい音が出ないと言う悩み。

全く出たことがないかというと、実はほとんどの人がそうではありません。
出たことがあるのに「できない」と言っていしまう、あるいはそういう括りにしてしまう。

「できない」の裏っ側にある気持ちや意識に目を向けてみてください。
大抵こういうのがあります。

『上手くいかない』や『こんなのできたうちに入らない』という完璧主義。
『失敗するかも』や『自分には今出来ない』という思い込み。
またそこから『成功率が低い』という自分への不信感。
『こんな音の出し方恥ずかしい』や『下手に思われたくない』という裏返った承認欲求。

これら全て自己否定です。
これらの自己否定が、本当は出来ることを邪魔してしまうのです。

先ほども書きました。
実際には大きな音を出したことがあるのに「できない」に分類してしまう。
良い音出したことがあるのに、常に出ないと「できない」にことにしてしまう。

機能的には身体に備わっているにも関わらず、それを出来ないようにしてしまっている何かがあります。

その大きな要因になっているのが、様々な自己否定なのです。

【邪魔があることは出来ない理由にはならない】

自己否定による不具合は、出来ないのではなくそれが邪魔しているから機能が上手く働いていないことです。

なので、これは「できない」に入りません。

これを「できない」に含めてしまうと、「自己否定しているからできない」という文脈が成り立ってしまうからです。
この文脈、ご自身で認められますか?
なかなか認められないでしょう。

ならばすることは一つ。
出来ないと思っていることをいったん保留し、自分のする事、感じたこと、出た結果のすべてを認め受け入れる事。
すなわち、

ハイパー自己肯定!

久しぶりに使ってみました、この言葉(笑)
大事なんですよ、これ。

誤解の無いように言いますと、これは決して自分に甘くなる事ではないですからね。
様々な邪魔をすることが頭の中をよぎる度に自分を強烈に認めることをしましょう。

これには練習が必要でしょう。
怠慢とは、この自分を強烈に認める練習をしない事だと私は思います。

【練習不足は不安を生む】

他に機能を上手く働かせない大きな理由は、いわゆる練習不足です。
これは「できない」と言うより「やってない」に入りますね。
論理以前にこれは一般的な部分で怠慢を指摘されます。

それに、練習不足は演奏の不安がもれなくついてきます。
不安を感じながら、しかもその理由が練習不足という明確なものであれば「できなくて当然」と思ってしまいます。

もう、これはできないことをハナから認めているので、スタートラインから否定が入っています。
これも邪魔する事の一つです。
そういう意味で、練習不足も「できない」に入りません。
逆を言えば、練習は自分への不安を自信に変える重要な要素でもあるのです。

更にいうと、ハイパー自己肯定することも「できない」ではなく、その練習を「やってない」から出来ないのです。
すべて子供の頃やった理科の実験のつもりで行い、その結果を楽しみにしましょう。

まとめ。

・「できない」を定義する前に、それを一旦保留する。
 (本当に出来ないことなのかを考える)
・その過程で起きることをすべて受け入れ、それをした自分を肯定的に認める。
・練習や取り組み、探究を実験のように行い、結果を楽しむ

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