第212回 楽譜の見方

こんにちは。

トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師のかたさんです。

今回のブログは、以前メルマガでお送りした内容です。

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今日の楽譜の「見方」という表題です。
「読み方」をあえて「見方」にしてあるところがミソです。
楽譜、特に吹奏楽でのことについて書いてあります。

吹奏楽あるあるの一つに、自分用のパート譜への書き込みがすごくて、元の音符などが読めない(ひどいものだと見えない)程の状態になっているもの、経験したことある人もいるのではないでしょうか。

こんなやつです。
まずはレベル1から。

カラフルペンを使い、キレイですね。
今回は色合いよりも書いてある内容をご覧ください。

音楽的なことも書いてはありますが、ほとんどが自分自身への意識付けの言葉が多いですね。
これらのことは、本来は楽譜に書き込むよりも別のところで考えるのがよいのですが。

さて、次はレベル2です。

一気にレベルが上がりましたね。
音符の上にまで気持ちや意識の言葉が書き殴るように書いてあり、音符が見えなくなっています。

少なくとも私が初見でこの楽譜を読んだら、演奏するのに苦労するでしょう。
「楽譜ばっかみてんなよ」、つーか見えません。
それが目的だったのかな?

そして次はレベル魔王です。

もう楽譜としての体を成していません。
どれほどの伝説の武器という楽器と演奏のスキルをもっている勇者だとしても、初対決では勝つ事の出来ない最強の魔王クラスの楽譜です。

これは手ごわい。
手ごわいどころか勝てない、そんな印象を一目で与えてくれるほどの代物です。

それに、これだけ色んなことが書いてあれば、全部を毎回読みながら意識して演奏することは不可能ですね。

ということは、書いてあっても意味がないと言うことです。

楽譜というのは、本で言えば文字です。
文字を読むことで、書いてある内容を理解し、そこに隠れている主人公や筆者、著者の意図や気持ちを読み取ることに読書の楽しみがあり、ナレーターや語りをしている人はそれを表現に変え表に出します。

楽譜もそれと同じところがあり、書いてある音符や表現や強弱記号、作曲者の時代や国、音楽様式から演奏法を選択し、それを演奏技術を使い表現します。

なので、作曲家が書いた音符一つ一つには意味があり、どれ一つとして蔑にできるものはないのです。

演奏や演出上により、音や演奏部分をカットする時や、2パート分が一緒に書いてあり片方のパートの音符のせいで自分のパートの音が読み難い時など、その他諸事情で音符や表現記号を消さなければならない時はその部分を消すことはありますが、それ以外で音符を消すことはありません。

つまり楽譜上の音を消す時は、とある事情があって意識的に消しているわけです。

上にあげた楽譜は、どうみても意識的に消したわけではなく、演奏上の自分への意識付けを書き込んだ結果、楽譜が消されてしまっている状態です。

演奏において、演奏者自身の気持ちはとても大切です。
気持ち如何によっては、演奏の質を大きく変えてしまいます。

その気持ちを上げるため、前向きな方向性を示す言葉や、時には問いかけを自身にすることで演奏に対して積極的になるために色々な書き込みをしているのでしょう。

それは大切なことですが、そのために音楽を表す楽譜を消してしまうのはどうなのでしょう。
私には本末転倒に感じるのです。

楽譜には、演奏上する事が全て書かれています。
「楽譜に書いてあることをするだけではつまらん」なんて指導もありますが、書かれていることから何を作曲者は言っているのかを読み取ることも「演奏上すること」なのです。
「楽譜に書いてあることをするだけではつまらん」と言っている人は、本当の意味で楽譜に書かれている事を読んでいません。
書かれた模様を見ているだけです。

いや、本当に楽譜を見る事ができる人は、楽譜に書いてある音符の後ろにある背景も見えてくるはずです。
楽譜を見るとはそういうことだと私は思います。

そういったものが消されてしまっている楽譜を見ると、私は悲しくなってくるのです。

これは書き込んだ子供たちが悪いのではなく、楽譜の見方を教えず演奏時に気をつける事《合わせる!》、
してはいけない事《飛び出ない!》、
失敗を許さない意識付け《外すな!》、
部分のみに拘った表情の付け方《強弱はっきり!(楽譜のそういうところには大抵フォルテやピアノなどの強弱記号は書いてあります)》、
ネガティブにならないためのポジティブシンキング《しっかり音を出す!》

などが演奏の目的や最重要になってきてしまうような指導をしてきた指導者の責任です。

私はそれが悲しい。
なぜ音楽を、音楽のいいところを優先して教えないのか。
上手下手以前に音楽だろう、と思ってしまいます。

先ほど否定的にならないための肯定的ということを書きましたが、私にはこれも無理を感じます。
ポジティブよりも建設的に物事を考える事が大切ですし、その方が無理がありません。

音楽でも生き方でも、目的があってそれに向かうために建設的に道を作っていくことを学ぶのが学校であろうと、吹奏楽部のこういう楽譜たちを見るといつも思ってしまいます。

指導者のためのワークショップもいつかしてみたいです。

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♪♪ レッスン動画公開! ♪♪

私が非常勤講師を務める浜松学芸高等学校の授業の一環で、動画撮影をしました。
通常に比べかなり短い時間ですが、私のアレクサンダーテクニークレッスンが見られます。
「片山はこんなレッスンするんだ」という参考にしていただければと思います。

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