第217回 野球の選球眼と初見演奏

トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師のかたさんこと片山直樹です。

NHK・BSで放送されている『球辞苑』と言う番組ご存知でしょうか。
まぁマニアックな野球のお話を、ナイツの塙さんが進行をしながらゲストを迎えおしゃべりする番組です。

主旨として取り上げられる内容が「敬遠」「ノック」「ネクストバッターサークル」とか、マニアックと言うより野球の話題として取り上げられない脇のことばかり。
でも、チュートリアルの徳井さん(現在自粛中)や塙さんというしゃべりのプロたちが盛り上げており、とても面白いのです。

そんな中で今回私が注目したのが「選球眼」。
これ、楽譜を読むことにも使えそうですよ。

【バッターの選球眼】

選球眼とは、簡単にいうと「バッターがストライクとボールを見極める目」のことです。
もっと言うと、「打てる球と打てない(打ちたくない)球を選ぶこと」とも言えます。

これについて巨人の丸選手がお話しています。

丸選手の選球眼とは「ストライクとボールを見極める事だではない」そうです。

ピッチャーだって打たれたくないので、打ちにくい球やタイミングをずらした球、ストライクゾーンぎりぎりを狙った球など、あらゆる球種を使い分けます。

そんな球を全て追いかけるのは無理。
打てる(狙う)球以外は手を出さないようにしているそうです。

でも「低めは打たない」「変化球は振らない」だと、「打っちゃいけない」になっていしまうので、例えば「高めを打とう」という肯定形に言葉を置き換えているそうです。
「ボールを振らない」→「ストライクを打つ」というように。

丸選手は、この考え方を選球に取り入れているんですね。

【ボールを見るのは無理】

ここで科学的な見地から、慶応大学準教授の加藤貴昭先生が興味あることを話していました。

バッターが打つために「ボールをよく見る」とはよく言われることなんですが、実は無理だそうです。
見えないんですって。

例えば、球速145kmのボールがホームベースに届くまでの時間は0.46秒だそうです。

バッターはその球を打つわけですから、打つ動作に時間がかかります。
それに必要な時間は0.16秒だそうです。
と言うことは、0.46-0.16=0.30となり、ボールを見る時間と言うのは0.30秒しかありません。
さらに、ボールを見てから反応するまでに0.17秒かかるそうなので、残りはたった0.13秒。

物を見て、頭で打つことを考えて、身体を動かす、この3つを0.13秒でするのは、明らかに間に合わない。

つまり、目で追っていては間に合わないと言うことになります。

ではどうやって打つことができるのかというと、ピッチャーがリリースするまでの間に、ある程度のボールの予測をしているそうです。

簡単にいうと「ピッチャーがこういう身体の動きをしたら、この種のボールがくるというのがわかる」ということです。
これがわかる人が選球眼が良いとされます。

【初見に使える音符の予測】

加藤先生によると、選球眼の良いバッターはボールを追うのではなく、予測ができたらボールから目を離してボールを待つ。
予測的に目を早めに動かす能力が大事である、と言っています。

トップアスリートになればなるほど、予測した心理的イメージと実際の物理的な世界が一致しているのです。
これを選球眼がある選手と呼ぶのですね。

初見演奏が苦手と言う人、結構いらっしゃいますよね。
私がちょうど今教えている高校生も、初見演奏にとっても苦労しています。

今日の選球眼を例に例えると、今実際に音を出している音符を見ていては、それに繋がる次の音符は意識に入っていないことになります。

つまり音符を見ていては演奏が追い付けない事になります。

先ほどの例に例えるなら、吹こうと思った、あるいはすでに吹く時間になった音符からは勇気をもって目を離し、次に吹くと予測される音符に目を移すことが大事と言えるでしょう。

吹いている音よりも先の音符を、すでに目で追っている事になります。
初見が苦手な人は、これをする勇気を持つ事から始めるのがいいでしょう。

【トレーニング】

元阪神タイガースの4番、掛布さんが選球眼を鍛えるトレーニングについて話していました。

王さんが良くやっていたらしいのですが、打撃練習後ブルペンに行きピッチャーの練習を見ていたそうです。

打撃練習では見られない、ピッチャーが本気で投げる球を見る、つまり生きた球を見る事がとてもいい練習だと言っていたそうです。

私は先ほどの高校生と、よく初見デュエットをしています。
一人で初見だと止まってしまうけど、先生と一緒にすることで止まる事は出来ず、必死についてこようとします。

デュエットですから瞬間瞬間のハモリも意識しなければならず、やることいっぱい。
実戦的な生きた初見演奏練習になります。

そして、掛布さん、元中日監督の落合さんもそうだったらしいのですが、速い球ではなく遅めの球で打撃練習をするのを勧めていました。

遅い球で練習することで、自分のバッティングの型を作る練習にもなるそうです。
速い球だけでやっていると、フォームを忘れ、ボールとの距離を作るのを忘れてしまうから、と言うのがその理由です。

初見練習も、楽譜を目で追うことばかりしていると演奏が雑になり、音符以外に書かれている強弱や表現記号など音楽的な部分を意識することや、音色に対して意識が無くなります。

常にいい音で演奏する意識が必要です。
音があっていることが目的ではなく、初見でも最初から音楽をしなければなりません。

なので、これも同じ理論でいけば、初見練習を始める時はゆっくり目の速度で演奏したり、音価が長めの音符が多い曲で試したりするのがいいでしょう。
自分の音が意識できるくらいでするのです。

常にいい音で音楽的に演奏することが初見でも大事です。

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♪♪ レッスン動画公開! ♪♪

私が非常勤講師を務める浜松学芸高等学校の授業の一環で、動画撮影をしました。
通常に比べかなり短い時間ですが、私のアレクサンダーテクニークレッスンが見られます。
「片山はこんなレッスンするんだ」という参考にしていただければと思います。

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