第226回 音の構成要素から見る、コロナ明けの練習ポイント

トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師のかたさんこと片山直樹です。

コロナ騒動の前までとレッスンが再開されるようになった今とでは、指導に対して着目する点が変化していることに気が付きました。

変化したといっても、言っている内容は新たに出てきたスキルや内容ではなく、生徒たちにはこれまでも話していました。

ただ、今はこれをすることの方が何よりもいいだろうなと、生徒さんたちを見たり音を聴いてみた結果そうなったという方が正確です。

簡単に言うと「音を響かせる」ことです。

・」

【音の響き】

「当たり前だろ」と思われるのは重々承知です。
その当たり前のことが、コロナ明けの現在は最優先に意識することだと思えたのです。

それは、当然ですがコロナと関係があります。
簡単に言うと、コロナによる練習不足と関係しています。

コロナにより部活動も休止が続き、練習が再開してやっと1~2ヵ月くらいでしょか。

結構な確率で、生徒さんたちは焦って音を出そうとしているように見えます。
少なくとも、再開後初のレッスンではその傾向と共にそういう音を出しています。

まず、音が出るか出ないか。
そして、出た音の良さと音程。
音の大きさと長さ。(よく鳴る音、長い音を出したい)

この辺りに意識が向いている、特に中学生たちが多いです。
でも体はその音を出す感覚を忘れています。

逆に、こういう時はチャンスでもあります。
音を出す体の感覚が薄れている今、新たな気持で音作りに取り組むことができる時なのです。

なので、最近は音そのものをよく聴くことを中心にしたレッスンに変えています。
それが音を響かせることです。

【音の構成】

音を出すとき、やはり「良い音で」を私は大切にしています。
これは師匠の影響が多分にあります。
音に関してはとてもシビアで、とにかく美しい音とハーモニーを探求する人です。
それが師匠と共に作ったトロンボーンエンジェルスのコンセプトと言ってもいいでしょう。

さて、では「良い音」とは何なのか。
これがわかっていないと「汚くない音」「うるさくない音」という消去法的な音の選択になってしまいます。

良い音の条件はいくつかあると思いますが、唇の状態に左右される音色を優先に考えることは、ブランク明けの人には結構ハードルが高いのではないかと私は思います。

なので音を構成する要素の部分を意識して音を出すことをお勧めしています。

そこで、音の構成する要素とは何なのかということになるわけですが、私は3つを定義しています。

・芯
・輪郭
・響き

です。

これは、管楽器の音において私がよく使うものなので、他の楽器では違う言い方がしっくりするかもしれません。

この中でブランク明けに意識するとよいのが「響き」です。

【音の芯と輪郭の役割】

芯は音のセンターですから、金管楽器の場合で言うとバジングで代表されるアンブシュアーと唇の振動と息の関係が重要です。

音の輪郭は、視覚的な表現ですが音のはっきり見える形のことです。
これだけだとよくわかりにくいと思いますが、私のバストロンボーンという楽器ではこれを表現するのが実は重要です。

どんな時に重要になるかというと、例えばチャイコフスキーなどではチューバとユニゾンで旋律やベースラインを演奏することが多いのですが、音の芯は両方ともそれぞれの音の主張として重要ですが、響きと輪郭は役柄があります。

バストロンボーンが音の輪郭を作りチューバは響きを作る。
そのバランスの取り方により新たな楽器の音のように聴こえさせることが、バストロンボーンとチューバの関係の魅力です。

また、そのように聴こえるよう、音の形やアタック、音色をお互いに共有することを私はしています。

【響かせるのに意識すること】

話逸れましたが、芯は音の貫通力とでも言いましょうか、音そのものが遠くまで届くのに必要な音の核となる部分を作ります。

輪郭は音の形を作ることで、音の存在感や表情を表現します。

どちらも一つの音を構成する大切な要素なのですが、ブランク明けに意識するには色々な部分で硬さを生んだり力みが増えそうです。

そこで、コロナ明けの今は、もう一つの音の構成要素「響き」を中心に音作りにすることにしました。

音の響きができるには、息と唇(リードなど)の振動が大切なのはもちろん、その音が響く場所を意識することが大切です。

これは芯とは違い、芯が飛距離を出す放物線のような動きだとしたら、響きは空間全体に広がる立体的なものです。

音の真ん中に芯があり、存在感が明確な形としてわかるように輪郭はあり、その周りの空間全体に行き渡るのが響きです。

空間全体に広がるためにはその空間を意識する必要があります。
生徒達には、まずそれを意識してもらうこと。
そして、意識できるように実際にその部屋を見渡してもらうことをして音を出してもらいました。

その後、窓の外にある、例えば木々であったり駐車場の車であったりと、空間の認識を広げて音を出してもらいました。

すると、先ず音自体が大きくなりました。
そして、音の柔らかさが増しました。

これらが起こったのには、空間を意識し響きを聴こうとすることで、それまでチューナーにらめっこで音を点で狙っていて体が後ろ下に縮こまっていたのが、顔が上がり目線は前に。
見ようとすることで視野が広がって、そのために体が前に行き、ずいぶんと長くなりました。

いわゆる姿勢が良くなったのです。

空間の響きを聴くことは、聴くという行為です。
どんな音が出たかは出た後に判断すればいいので、外したとかブルってなったとかは響きを聴こうとする意識にはどうでもよく、響きを作りその響きを聴いて音を楽しむことが重要です。

そして、音を楽しむ時間を長くとるために、意識としては響かせ続けることが第二に大切です。

響かせ続けるとは、音(唇やリード)の振動をし続けることなので、空気も出し続けることになります。
これを意識すれば、結果として呼吸筋も使われ続けることになるので、ブランクで鈍った呼吸筋の復活も比較的早くなるのではないでしょか。

しかも音を楽しみながらできるので、焦りやストレスもかなり減ると思います。

こんな時期だからこそ意識的にする練習を今日は書いてみました。

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