第259回 痛くて吹けない・痛くても吹ける~抜歯後の探求と発見~

トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師のかたさんです。
以前メルマガに書いた内容です。

先週の火曜日(7/27)に、6月に続き2本目の親知らず抜歯をしました。
今回の方が厄介で、骨を削り歯を取り出しました。
当然歯茎の切開も大きく、数針縫ったようです。

まあ、痛いですよ。
前回よりもずっと。
人には「殴られたんか」と言われるほど腫れてましたし。

しかし問題はそんなことではありません。

骨を削ったことにより、現在頭蓋の副鼻腔と口が繋がってしまっている状態なのです。
これは鼻-副鼻腔-口という、あらたなルートができたことになります。

「しっかりと縫ったので、いずれはふさがるが、2週間ほどは強く鼻をかむのを控えて」と先生から指示はもらいました。

鼻をかむのがいけないのは、鼻から副鼻腔を通った口までの新ルートがあるため、鼻をかむことで勢いのある空気と共に鼻水などがが副鼻腔に入り込み、蓄膿症を発症するかもしれないからという理由でした。
なので、鼻を強くかむことは控えています。

しかし、私は今、逆の状態に今悩まされています。

楽器を吹くことで、口の中の空気の圧力が高まり、空気が口から副鼻腔を通って鼻へ抜けることがあるのです。
これがとても痛い。
空気が抜歯の傷跡辺りからブクブクと音を立てて鼻の方へ抜ける今までにない感覚と共に、当然その時ふさがっていない傷口を圧迫することになり、顔の中の方が痛くなるなんとも耐えがたい痛みに襲われます。

ただでさえ、まだ腫れが引いておらず、アンブシュアーを作るのに痛みが伴っている状態で、これはとても耐えられる痛みではありませんでした。

普通であればここで練習をやめるのですが、私には来週とても大切な本番が待っており、練習をする必要があります。
少なくとも、(その時は少しは良くなっているだろうが)この状態でも演奏ができる奏法を作っておく必要があります。

「こりゃあ大変だ」

しかし自分の演奏をよく観察してみると、空気が抜けずに音が出る時もあります。
そして、それは楽に感じます。
と言うことは、一つの仮説として、「空気が抜けて痛くなる時は、奏法に問題がある時」とういう理論が成り立ちます。

その痛くなる時、何が起きていたかを観察してみました。
すると、その痛くなる時は、抜歯したからと言うわけではない、既知の動きと感覚がありました。

空気が抜けることによる痛みが起こる時、

①鼻抜けが起きている

②軟口蓋が固まる

③口の中を広げようとしている

少なくとも、この3つは発見できました。

この観察をして言えることは、「痛くならないように吹く」ことを前提としていないということです。
つまり、痛くなることを何度も体験した、自分に対して拷問のような、下手をすると蓄膿症になってしまうかもしれない実験を繰り返していたのです。

そして、①②③それぞれが起きる時に共通して起きていることを発見。

それは、ほほの筋肉が緩み、そこに空気が入り込むことが起きていました。

おそらく、この痛みがなければわからないようなわずかな緩みだったのですが、それが起きた瞬間に「ブシュブシュ」と空気が歯茎の中に入り込むイヤな感覚と目にまで届く鋭い痛みが走ります。

「ぐおぉぉぉ」と悶絶してしまうほどの痛み、数分間はズキズキとしてそれが収まるまで頭を抱えて待ち、そしてもう一度実験を繰り返す。

口の中の空気の溜まりによる口腔内の圧力がこの痛みを引き起こすのであれば、圧力のかかりを減らすしかない。

しかし、口腔内の圧力は管楽器を演奏している以上起こるべくして起こるわけで、減らすことはできません。

ならば、圧力のかかる場所を変えれば傷口に負担がかからない。
そして、頬のゆるみがそれを生んでいるのであれば、頬の筋肉を使い続けることでどうなるか、という仮説で練習してみました。

これまで、あまり意識的に使ったことのない頬の筋肉を使うので、バテは早く来ます。
しかし、そこへ空気の圧力はかからないので、空気の抜けによる痛みは起きません。

逆に、頬の筋肉を使うことで抜歯後の歯茎全体に圧迫をかけることとなり、抜歯周辺だけでなく口の中全体に鈍い痛みが増えました。

吹くのをやめると、口の中全体に「ドクン、ドクン」と鈍いが強い痛みを伴います。
しかし、これならば痛くても吹けます。

また、自分がこれまで抱えていた不調の原因の一つと思われる鼻抜け・軟口蓋の固まり・(ほほを含めた)口の筋肉の緩みを、結果的に抑制することができたのです。

この耐えがたい痛みが、弱点を発見してくれたのです。

・痛くて吹けない
・痛くても吹ける

この境目は重要です。

何をしても痛い時は仕方ありません。
(抜歯の翌日は、一応楽器組み立てましたがバジングの段階でやめました)
しかし、試しに吹いてみてそれが思わぬ発見につながることもあります。

ここに必要なのは、探求心と興味です。
それに観察と実験が伴います。

こういったプロセスを導くことができたことは、アレクサンダーテクニークを学んでよかったと思える瞬間ですね。

しかしまあ今回のこの探求は、良い発見の代償にとてつもない物理的な痛みを伴いますからね、この文を作りながらも、できれば横になっていたい気分です。

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