第262回 歯並びと楽器演奏

トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師のかたさんです。

私を知っている人はよくわかると思います。
私は、いわゆる「出っ歯」でして、子どもの頃は、親戚に「ビーバーみたいな歯」と言われていました。
とにかく、上の前歯二本が大きく、しかも前に出ていたため、とてもよく目立ちました。

中学からトロンボーンを始めてから、それは徐々に引っ込んでいき、ただのでかい前歯になりました。
おそらく、マウスピースを口に当てることで押さえられたのかもしれません。

歯並びと管楽器の演奏については、昔からその関係の重要性は謳われてきています。
簡単に言うと、「歯並びがいい人は管楽器演奏に向いている」ということです。
逆に言えば「歯並びが悪い人は管楽器演奏に向いていない」とも言えます。

一部は否定しません。

やはり歯並びがいい方が、良い音がしやすいとは言える根拠はあります。
それは、名手たちに歯並びがきれいな人が多いという歴史的実績があるからです。

それと、歯並び良いことの条件に限りなく左右対称に歯が並んでいることがあり、それは左右に偏った噛み癖なども抑制され、顔の筋肉の左右差も少なくなっているため、いわゆる「いいアンブシュアー」になりやすいことも上げられます。

そういった歴史的実績は、それを証明する指標として信用するに値するものでしょう。

しかし、反対側の「歯並びが悪い人は管楽器に向いていない」は、果たして歴史的実績があるのでしょうか。

「歯並びが悪いからできない」という、上手くいかない理由付けにする生徒はいままでたくさんいましたが、歯並びが悪くても名手がいるという多く実績はあります。

なにより、私の師匠がその証明です。

私の師である藤澤伸行先生は、かつて前歯が1本しかない状態でプロ奏者として活躍していたのです。
もちろん、そのために相当な努力をされたと聞いています。

マウスピースを唇に密着させる支えとして、前歯はその役割を担います。
それがないわけですから、その代用をどこで行ったかというのは、先生独自の企業機密事項ともいえる独自の奏法だったのではないでしょか。

マウスピースを歯で支えられなければ、歯茎か口周りの筋肉しかありません。
この口の筋肉の使い方が、先生独自に編み出されたアンブシュアーなのでしょう。

その後先生も歯を入れましたが、元の奏法は生きており、歯を入れると「楽になった」程度のものだったようです。

スポーツ選手で、歯並びが良くないために力が発揮できないという方もおられ、歯並びを矯正したり、時には抜く方もおられます。
それは超高次元の結果の要求にこたえるため、ある種の肉体改造を行っているわけです。

楽器演奏家でそこまでする人はなかなかいないでしょう。

まあ、管楽器の世界では、肉体改造してまで奏法をよくすることが一種タブーとなっている雰囲気があるのも確かで、それも相まっておりますが。

私も先日親知らずを抜きましたが、これは楽器のためではなく虫歯になるのが嫌だったので抜いたのです。
それにより、いずれ歯並びは変化してくるでしょう。

今もそれは感じています。

かみ合わせは変わりましたし、アンブシュアーを作った時に口腔内にかかる顔の筋肉により圧迫される場所も変わりました。

簡単に言うと、それだけです。

歯並びは変わり続けるし、それにより筋肉の使い方が変わる。
それにより、多少奏法に変化は生じます。

しかし、ただそれだけです。

歯並びが悪いことは、そう問題ではないのです。

そもそも、歯並びの良し悪しというのは、見た目はあったとしても奏法的な比較は絶対にできないはずです。
なぜなら、自分の現在の歯並び以外で吹いたことはないのですから。

そう考えると、奏法的な意味での歯並びの良し悪しは、自分自身の思い込みとも言えます。

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