第263回 10日ぶりに楽器を吹く ~その時気を付けること~

トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師のかたさんです。

《8月23日のメルマガから》

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数週間ほど前のメルマガで、抜歯により口ー副鼻腔ー鼻が繋がっている状態であることをお伝えしました。
本来なら楽器は吹かない方がいいのですが、大切な本番があったため練習せざるを得なくしていました。

本番が8/10にあり、翌日以降は治癒のため楽器練習はお休みしていました。

そして8/21、大阪音大の先生で宝塚歌劇オーケストラトロンボーン奏者の山下先生の合宿に参加し、そこで10日ぶりに楽器を吹きました。

楽器演奏で仕事をし始めてから、数日吹かないことはありましたが10日も楽器を吹かない日なんてなかったので、不安はほぼなく、むしろ音は出るのか、出てもどんな音なのか、感覚はどう感じるのだろうと興味がありました。

まあ、10日も吹いていなければ音なんてロクに出ないだろうと思っていたので、意外に気楽でしたよ。

さて、長らく楽器休暇した後に吹く時に陥りやすいこととして、過去の演奏感覚に対して現在を評価することです。
簡単に言うと「前より良い悪い」です。

さらにそれが奏法に対してまで評価になると、ドツボにハマります。

長らく楽器を吹かなかった場合に気を付けることとして、今回は書き示したいと思います。

【①現状を理解(把握)する】

自分ことで言えば、

・10日楽器を吹いていない
・抜歯手術をして体の構造上、楽器を吹かない方がよい状態であった
・手術により歯茎や頭蓋骨に傷を負っており、それに伴い歯や口内の粘膜、口を開いた時の顎関節周りに痛みや違和感が続いている

これらのことが自分の身に起きていることをよく観察し、先ずは改めて認識することから始めます。

これらのことを「改めて」認識することは、実は第一歩として重要です。
認識新たにすることは、言語化できることに繋がります。
言語化することは、感覚的でホワッとしているものを論理的で明確化しやすくなる利点があります。

現状を理解するとは、自身に対し納得に値する証明をすることでもあります。

【②感覚の違いを認識する】

実際に楽器を吹いてみた時、今までと何がどれくらい感覚的に違いがあるのか「興味を持って」観察してみましょう。

私の場合で言うと、まずマウスピースを口に当ててそれが大きく感じる時は大抵調子が悪い時です。
今回も大きく感じました。
つまり、調子が良くないバロメーターを過去の経験から感覚として認知したわけです。

しかし、調子の良し悪しバロメーターに目を向けていては、気分的に落ち込むだけです。

マウスピースが大きく感じる理由を探してみると、長期間吹いていないために唇周りの筋肉が落ちていることもが理由として挙げられます。

「ああ、筋肉が落ちているから大きく感じるんだ」

だからマウスピースが大きく感じる、そういう感覚を受け取るわけです。

調子の良し悪しではなく感覚の違いとして受け取れば、その理由探しに興味がわき、思考の方向が建設的になります。

ゴルフをされる方はわかると思いますが、ゴルフコースを回る前にパターの練習をする場所があります。
そこでの練習の仕方にヒントがあります。

そこではカップをねらうよりも、まずいつもの感覚でボールを打ちます。
大体これくらいなら〇メートル転がる、という自分の中の基準で打ってから実際の距離を見てみます。
その時の転がり具合を見て、「今日の芝は転がりにくい」とか「今日は体がいつもよりも強く打つ傾向にある」なんてことを見つけるわけです。

いつもの感覚でしようとするのではなく、今現実に起きている結果からいつもの感覚との違いを発見すれば、その時必要な力を使うことに違和感は無くなるでしょう。

「いつもの感覚」でしようとするから、いつまでも違和感を感じ、それを拒みたくなるのです。

【③上手くできないことも当たり前】

長い間吹いていなければ、いつもの感覚と違うところに支点や力点があるので、コントロールは上手くできません。

結果の作用点も明後日の方に行ってしまうことも多いでしょう。

楽器を持つ腕一つとっても、微妙に筋力が落ちていれば、楽器をいつもの高さに持ってくるのにも腕の力がいつもより必要で、その分重く感じるでしょう。

それは当然のことです。
その当然のことを認めるのが、なかなかどうして難しい。
これは、ある意味勇気かも。

でも、自身の状態に興味を持って接していると結果を生んだプロセスにまで興味が湧くので、上手くできなかったとしてもそれを受け入れることができるようになりやすいのです。

【④できなくて悔しい思いは大切に】

それでもしたいことができない状態と言うのは、やはり悔しいものです。
それを気にするなと言うことは、それはそれでストレスだし、無理矢理ポジティブシンキングは問題の本質を見失います。

出来なくて悔しい、つらいという思いは、勝手に感じてしまうものです。
起きてきてしまった思いは、歓迎するように受け入れてあげてください。

ただし、それにより不安がる必要はありません。
できないことによる不安は自己否定を生みます。
悔しい感情と自己否定は別です。

【⑤良いこと、役立つことを発見したら実行しよう】

色々考えて実行して上手く行けた瞬間があったら、それが偶然じゃなく意識的にできるよう練習が必要です。
そのための実験をしましょう。

起きることを受け入れ、よく観察し、出来そうな兆しがあればその道筋に仮説を立て実験する。
上手くいけば使えばいいし、上手くいかなければそのプロセスを見直し再実験、必要なければそれは捨て別のプランで実験。

練習とはそんなものでしょう。
決してメニューをこなすことではありません

こういう文にすると長くなるし堅苦しい印象ですし、正直地味です。
しかし結果的に戻りは早くなるし、効果も表れやすいです。

合宿所ついてすぐにレッスンをしたときは、そりゃ酷いもんでしたよ。
全然音が出なかったですからね。
当たり前か。

レッスン後に少し時間が取れたので、先に書いた内容を意識して練習していました。
屋外で練習中してると、講座から帰ってきたバジルさんからは、その音を聴いて「調子良さそう」という感想をいただきました。

10日も吹いていないことと、抜歯後の状況を知って驚かれていましたが、先ほどのことを意識して練習すれば、思ったより結果は早く訪れるのです。

もちろん、都度アレクサンダーテクニークを使いながらでしたけどね。

 今日は長文のメルマガでした。

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