トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師のかたさんです。
今回は自身の経験を踏まえて。
(10/4メルマガから)
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前回のメルマガで触れましたが、演奏不調に陥った人は、その不調に意識が行ってしまい、実際に出ている音に意識が向いていない傾向があります。
ここ数か月の間に新規レッスンお申込みいただいた方の何名かは、不調だったり楽器が変わったことでのアドヴァイスを求める方がいらっしゃいました。
不調の方もそうですが、楽器が変わったことで起きる吹奏感や感覚的な違和感を気にすることは、実は似た傾向があることがわかりました。
どちらも「吹いた感覚」に軸を置いています。
吹いた感覚を意識することがいけないわけではありません。
それとは別の何かとの対比がないと、それのみの価値観での判断になってしまう危険があるのです。
音楽の中でも演奏と言うものには、4つの要素があると言われています。
その4つとは、奏者、楽曲(楽譜)、空間、聴衆。
このどれか一つ欠けても、演奏は成り立ちません。
「聴衆は必ずしも必要ないのでは?」と思われる方もいるかと思います。
コロナのために無観客での演奏がここのところありますが、これはそれに当たるのではないかと。
私は無観客公演と言うものをしたことはありませんが、たとえ無観客でも、演奏者は全く人に聴かせるつもりは無かったのでしょうか。
あるいは、それを想定はしていなかったのでしょうか。
たとえその場に人はいなくても、演奏する人の心の中にはその場にいない誰かへの色々な思いはあったはずです。
それは、聴衆を意識していることになります。
音楽と言うのは、必ず聴く人があって成り立つのもです。
そういう意味で言うと、演奏において大切なことは、演奏者の感覚ではなく聴いている人がいい音楽と思ってくれるか、良い音と感じてくれるかではないでしょうか。
私もそうでしたが、不調を抱える人は、自身の感覚に対しての意識が強すぎて、空間や聴衆のことはほとんど意識外なのです。
これは、いい音楽をしようという意識がないのと同じとも言えます。
いい音楽に対しての意識がなければ、良い演奏に結び付かないことも当然です。
それを思い出させるためにする第一のことは簡単です。
自分の音を聴くことです。
当たり前のことなのですが、不調を抱える人は意外に自分の音を聴いていないのです。
「今の音はどうだったですか?」
「何か、息とタンギングの発音がずれていました」
こんな会話になってしまうのです。
音がどうだったかを聞いているのに、どう吹いたかをいう答えが返ってくるのです。
もう一つ面白い例として、
「今の音はどうでした?」
「いい音だとは思うんですけど、こんな吹き方でいいんですか?」
こんなのもあります。
どんな吹き方してようが、良い音が出ればいいと思うのですが、音よりも吹き方の方が大切になってしまうほど、吹奏感重視なのです。
不調の人が抱える負のスパイラルは、こうして起こります。
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・音はどうだったか(良い音していたか)
先ずはここから始まります。
音をよく聴くことです。
これをしないと、演奏のサンプルになりません。
・その時どう吹いていたか《自身の観察》
・それをもう一度試してみる《実験》
こうして練習は進んでいくのです。
自分の試した奏法でどんな音が出たかを聴いてから、自身のフィーリングに目を向けてみてください。
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