第270回 外れて気になる音と気にならない音

トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師のかたさんです。

金管楽器において、音が外れることはつきものです。
これを恐れては練習になりません。
そりゃあ、外さずに演奏したいものですが、それが起きやすい楽器であることは間違いありません。

でも、一流のプロ奏者ですら音を外すことは少なくありません。
そういう楽器と言えばそうなのです。 

 ですが、実際に聴いていてはずれが気になる場合と気にならない場合が存在します。
この差は何なんでしょう。

 私が学生時代の大学の指揮者は某巨匠指揮者だったのですが、私は大嫌いでした。
音楽ってより人間が、です。
まあ、それはどうでも良い話です。
そんな大嫌いな指揮者でも良いこと言ったこともあり、「その通り」と共感できることもありました。
(だからと言ってその人を好きになれたかと言うと、それは別問題) 

ある時、「失敗すると思わせる音出して失敗するのは最低だ」と言っていました。
「最低」の部分は同調できませんが、「あーこれは失敗するなー」と事前にわかる音をだしてしまい、その予想通り失敗することは好ましくないと言い換えましょうか。

 私は演奏する時、聴衆を演奏の意識の中の一つにおいています。
私の演奏(が成り立つの)に必要な条件は4つ。
1奏者、2楽曲、3聴衆、4空間です。 

この中の3と4は、意識外の人多いです。
聴衆は、演奏において絶対に意識の中に入れておく必要のあるものです。
聴く人あっての演奏であり音楽であると私は思っています。 

その聴衆に「外しそう」と思わせる音を出してしまうのは、良くないと私は考えます。
実際聴いていると、それはよくわかるものです。

外さなくても「ごまかし」「逃げ」など、音はその人の心理をよく伝えるので、聴いていると色々よくわかるもんですよ。
そういう音は、残念な音に聴こえます。

逆に、外しても「惜しいっ!」と思わせる音もあります。
この違いは何なのでしょう。 

この違いは、聴いていいてはずれが気になる、気にならないという印象を与えます。
そういう意味では、外れても気にならない音であれば、極端な話外してもいいわけです。
どうせ外すなら、聴いていて気にならない音にしたいですよね。 

この違いは、「外しても気にならない音を出す」技術の話ではありません。
反対の「気になる音」から検証すればわかりやすいでしょうか。

 聴いていて気になる音のはずれには、その前提があります。
どういう時かというと、
・音楽的ではない演奏を目指している
・したい演奏をしていない
・守りに入っている 

どれも似たような意味が含まれていますが、要は「音楽的に構築された意志を持って、それを目指し邁進し、確固たる自分の音楽を表現しようとしている積極的な演奏」であれば、音のはずれは「惜しいっ!」となるのです。

そこには、音の外れよりも奏者から伝わる音楽的な方に聴衆の意識が向くため、音のはずれはそれほど気にならないのです。
無論、粗探しを目的に聴いている人は別ですが。  

 さて、数か月前からレッスンに通っている方とのレッスンでも、先日そういうことがありました。
「置きに行った玉」のような音の出し方は、音楽的な方向性のない音です。
そうなると、外しやすくなるし、外しそうな予感もします。
そして、予想通り外れます。

そういう時、吹く方もそんな気がするんじゃないでしょうかね。
 なので、音がどこに向かうかを明確にし、そのために必要なことをすることだけに意識を向けると、それまでと違う奏法で吹かざるを得ません。

そうすれば今まで通りには吹けないので予想外のことが起きますが、音は確実に良くなり、外れてもそれほど気になりません。
なぜなら、音楽をしようとしているからですし、音楽的な音を出しているからです。

 この時も、このことに意識を向け吹いてもらったら、音の響きが全然変わってとても良くなりました。
しかも楽に音が出せて、口周りの震えも軽減されたのです。
あまりの変化に、私が拍手してしまいした。   

音が外れる原因は、奏法的なことだけではなく、音楽的なことをしていない場合もかなりの頻度であります。

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