第273回 口内炎で痛い高校生 ~痛い時にこそできた練習~

トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師のかたさんです。

高校生の生徒のお話です。

口内炎が下唇裏にできていて、マウスピースが当たって痛い。
しかも、経験ある方多いと思いますが、口内炎のところを寸分たがわず噛んでしまうこと、ありませんか?
私は何度もありました。
この生徒もそれだったらしく、結構痛いようです。

 そんな時は休むことも選択肢ですが、そういう時でも本番はやってきます。
 「だから我慢して練習しろ」とういう根性で練習するよりも、痛い時に吹ける方法を見つけたり、より痛みにくい吹き方を手に入れられる練習の方が何倍もメリットがあります。

 今回はそういうレッスンにしてみたところ、色々発見と改善がありました。

【筋肉クッション】 

いつもは、若いだけあって息の勢いで吹くことが多いのですが、今回はそれをすると痛いので、逆にその痛みを利用しました。

マウスピースを口に押し付けると痛いわけですから、そのプレスを弱めれば痛みは減ります。
しかし、マウスピースと口との密着は必要。
では、どうやって密着をしつつ痛みを減らすくらいまでの押しつけを無くすか。 

彼の場合、ややアンブシュアーが緩んで見えます。
これが実は不必要な押し付けをしてしまう原因のように見えました。
そのため、アンブシュアーを形成する筋肉をより使うことで筋肉クッションを作り、そのクッションとマウスピースを密着させる作戦を提案しました。

これにより当たりがソフトになり、痛みがまず軽減されました。
同時に、緩みがちだったアンブシュアーは安定します。

【息の変化】

アンブシュアーは今までより安定しました。
しかし、息の方は今までの緩んだアンブシュアーに対応する息だったので、今のアンブシュアーには対応していません。 

先ほども書きましたが、それまでの息はその緩んだアンブシュアーを勢いで発音させるものだったので、息の初速ばかり早く硬い破裂的な音になります。
口内炎が痛むことも心配されるので、息をゆっくりだがたっぷり使うことをしてもらい、音が開き切る直前の状態をよく聴いて、その状態の音を出し続けることをしてもらいました。

 すると、音に太いが明るく柔らかさが出ました。

【身体の繋がり】

さて、その状態の音を出し続けてもらっていると、音の終わりがダレるのがわかりました。

アンブシュアーが変わり、それに対応して息が変われば、すでに体の使い方も変化していますが、意識的な部分での変化をしていません。 
具体的に言うと、腕が今までの位置から変わっていないので、新しいアンブシュアーに腕が対応していいませんでした。

 ・腕に対する意識として、上腕二頭筋はよく理解しているようですが、それは肘を曲げる筋肉。腕そのものを肩関節から上げるのは、肩や胸の筋肉(三角筋と大胸筋)。
そこを新たに意識すること。 

・そして、腕の筋肉は背中にもあるので、背中を使うか使わないかは別として、腕の動きが変われば背中の動きも変わってくることを認識する。 

・スライドを伸ばすのは右腕だが、伸ばすときに働く筋肉は、肘を伸ばす腕の裏側の上腕三頭筋と、腕が前に伸び上に上げる三角筋や大胸筋。

 ・右腕が前に伸びれば、背中右側も反応し、右側の動きに対しては背中左側も対応する。
つまり、体のひねりが起きても当然のこと。

 ・スライドを伸ばせば楽器の前後のバランスが変わるので、それに対応するために上体や脚にも動きが起きる。
それの認識。

 これらのことを提案しました。
と言っても難しい筋肉名前は言わず「肩や胸の筋肉が働く」と言うような表現でしたけどね。 

こうしてみると、アンブシュアーを変えれば、それに体全部が対応する(あるいは対応する必要がある)のがわかると思います。 

最後の提案として、首の後ろと喉周りを緩めることを提案しました。
(今回は「首が自由」ではなく、あえて「緩める」と言ってみました。なんか「自由」って言葉よりも「緩める」の方が、今回はより自由に感じたので)
 これはアレクサンダーテクニークの基本ですね。

この生徒は2年以上レッスンしていますが、アレクサンダーテクニークそのものをダイレクトに使ったレッスンはしていません。
今回はそれを使うのに有効なタイミングだったので、それを使ってみました。

【大きな変化】

すると、先ず音は明るくなり響きが増えました。

楽器を持ち上げる動きがスムーズで、見た目に楽器が軽くなったように見えました。
楽器が軽くなったように見えたということは、楽器と体がよりつながったとも言えます。

生徒の体感としては、音を出すのが楽になった、音が良くなった、息が長く持つようになったなど、実際に良い方向になったと体感でき体現できたようです。 

******

 これらは、今回口内炎により痛みがあるからこそ取り組めたことでもあります。
痛みのせいで、今までの息の勢いで吹くことができず、このような奏法発見、開拓に挑めたのでしょう。
もちろん、私も生徒の今回のこの状態を使い、その方向のレッスンに持っていきました。 

「痛みは味方」とBodyChanceではよく言われましたが、私はこの考えをレッスンや、ちょっと前の抜歯後の練習など自分の状態に活用しています。

 痛い時にこそ見つかることもあります。
無視しない程度ではありますが、それを利用してみると、意外なお得が待っているかもしれませんよ。

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