第274回 吹く気になれない生徒とのレッスンをいいレッスンにしちゃったお話

トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師のかたさんです。

過去のメルマガから。

レッスンレポートです。 

先日行った高校生トロンボーンの生徒のレッスン。
どうもこの日は、音に集中力がなさそうというか、落ち着きがないというか、乗り切らないというか・・・。
音と音楽的な方向性がちぐはぐに感じる演奏でした。 

本人としてはレッスンなのでそれなりの気持ちで臨んだとは思うのですが、なんとなくしっくり来ていない音に聴こえました。 

「調子はどうだ?」と聞いたところ、「自分が望む演奏に対して、自分の体がいうことをきかない」と言う返事。
 したい演奏や出したい音はあるのでしょうが、それが出せない様子。

 「今日は、あんまりやる気出ないんじゃないのか?『土曜なのに片山の野郎レッスン入れやがって!』みたいな気持ちかもしれんしな」 冗談で言ったわけですが、まんざらでもなさそうな顔。

図星だったようです。

とにかく今日はあまり気持ちが盛り上がらないみたいで、それに身体が反応しています。 
そんな時は、楽器吹かずずっと話をしていることもあるのですが、今回はこの状態でのレッスンをしてみようと思いました。 

「そんな時は、そのテンションで吹いてみたら?」 

これは『そのテンションの自分を表現する』とは違いますし、やる気がない演奏をすることでもありません。
『そのテンションの自分を受け入れる』ことです。

気分的に盛り上がらない状態を受け入れて、それに身体が反応する範囲で音を出してみようという試みです。
それで曲を吹いてもらいました。

 すると、最初に吹いてもらったちぐはぐさは無くなり、音の響きはずっと増え余韻もきれいになりました。
無理に押し出すようなフォルテやクレッシェンドもなくなり、穏やかに広がるクレッシェンドに変わりました。 

もちろん、これはこの生徒が目指す演奏ではありません。
これは、気持ちと体の繋がりを作りコントロールができるための練習の一つと思ってもらってよいでしょう。 

「大事なのは、『この状態ではこういう音が出せる』ということを知ること。
できるならばそれを身に付けられるよと良い。
そうすれば、それは一つのテクニックになるからね」

  これは、自分をよく観察し、今の自分を受け入れること=自分を認めることでもあります。
一種の自己肯定ですね、これは。

 最初は、吹きたい音楽のために自分の身体への指示出しが弱く、その時の自分の状態とは違った場所で音を出そうとしていたがためにちぐはぐした演奏となったのでしょう。
こちらは逆に、一種の自己否定です。 

結果だけを見れば「音が安定していない」「方向性がない」「やりたい演奏がわからない」などコメントできる演奏でしたが、この結果がどこから来ているか、どうしてこの結果に至ったのかのプロセスを見ることができたのでこのような対応ができ、そして生徒にとっては新たな表現の仕方と音を見つけることができました。  

演奏者にとって結果は全てではありますが、その結果が生まれた原因やプロセスを教える側が見つけることができれば、生徒にとって色々役に立つ結果がでる方法やアイディアを提供することができるでしょう。 

教える立場として、なかなか面白いレッスンでした。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆You Tube始めました!☆
かたさんのチャンネル「かたさんビデオ」はこちら
https://www.youtube.com/channel/UCWYk7nZAcakAZBxmRZYJviA?view_as=subscriber

♪♪ オンラインレッスン始めました! ♪♪
オンラインレッスンお申し込みはこちら

無料メルマガ「かたログ!」ご登録はこちら
無料メルマガご登録

通常レッスン・お問合せはこちら
通常レッスン・お問合せ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です