第282回 「勝手に金賞とっとけ」

トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師のかたさんです。

かなり昔、友人との話。

 同い年の彼とは、職業柄仕事場で顔を合わせることがありませんが、仕事以外のプライベートで一緒に飲むこともあり、同士に近い存在でした。 
そんな彼との会話の中で出た話。

彼は、とある学校(中学か高校か忘れたが、おそらく中学校)に指導に行っていた。
合奏練習になって、顧問の先生が指揮するのを脇で見ていた。 

どうしてもうまく吹けない子がいたらしく、その先生はその子を指して、「おい、みんな。あいつのためにみんなが迷惑してる。どう思う?あんな演奏でいいのか?見てみろ」と他の部員たちに言い放ったそう。 
そして、多くの部員がその子の方を向いて、蔑み迷惑そうな顔をしたそうです。

その子は下を向くしかなく、何も言えない状況。  

その後彼は、今の演奏について意見を求められたらしく、みんなの前に立って、 

「おい、お前たち。あの子は仲間じゃないのか?いくら指揮者があんなこと言ったからといって、同じ仲間のお前たちがそんな顔していいのか?あの先生は指導そのものが間違っているが、そもそもそういうことに気が付かないんだろう。でもお前たちは違うだろ。同じ仲間だろう。そんなことに染まるなよ。そうまでして金賞取りたいか?俺は間違っていると思うから、今日でここの指導は辞めさせてもらう。そうまでして金賞取りたいならそうすればいい。お前ら、勝手に金賞取っとけ。」

当の先生がいる前で吠えたそうです。
そりゃその先生も黙ってはいないでしょう。 

その後、生徒たちが彼のところに来て、彼にやめてほしくなかったからでしょう、「とりあえず指揮者先生に謝ってください」と言ってきたそうです。 

それに対しても彼は「俺は何にも悪いことを言っていない。悪いのはあの指導と、その指導を真に受けて仲間を蔑んだお前たちだ。謝ることなんてない。」 

当然ですが、彼は見事にクビになりました。
まあ、これを聞いて「大人げないバカだなあ」「子供だなあ」と思う人はいるんでしょうが。
私は話を聞いていいて痛快でしたがね。  

この指導者のことは、まあ論外でしょう。
こんなチンケは指導していては、その為人が想像できます。
今更ここで論ずる必要もありません。 

問題は、その指導者の下にいる子供たちもそれが普通であるかのように、ミスをしたチームメイトを蔑んだ目で見るという現実。

本心からそのようなことを思って、そのような行動をするようになってしまったのか、あるいはその指導者に慮ってとりあえず合わせているのかわかりませんが、結果として仲間を傷つけたことには違いありません。 
こういうことが、音楽という世界に関わることを避けさせてしまうことに繋がります。
音楽というものは素晴らしいものであるのに、その世界に顔をだすことがいやになってしまう。 

音楽家は、音楽のすばらしさを発信し、それを伝え継承していく義務があります。
これは、音楽というものが人類が発明したものの中で最も平和的に優れた財産だからです。 

それが、わざわざ音楽嫌いを生む指導していては、人類としての大切な部分を放棄していると私は考えます。
こんなのは、音楽家ではありません。 

プロとかアマチュアとか、演奏家とか作曲家とか評論家とかではなく、人類として音楽を楽しみ伝え継承していく人は全て音楽家でしょう。
それを阻害する行動をする人は、極端に言えば人類の敵と言っても過言ではないと、私は思います。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆You Tube始めました!☆

かたさんのチャンネル「かたさんビデオ」はこちら
https://www.youtube.com/channel/UCWYk7nZAcakAZBxmRZYJviA?view_as=subscriber

♪♪ オンラインレッスン始めました! ♪♪
オンラインレッスンお申し込みはこちら

無料メルマガ「かたログ!」ご登録はこちら
無料メルマガご登録

通常レッスン・お問合せはこちら
通常レッスン・お問合せ

「第282回 「勝手に金賞とっとけ」」への2件のフィードバック

  1. ブログ読んでて、私も痛快でした。
    非人道的な態度を取る指導者、それに引きずられる生徒たち。
    とある『吹奏楽王国』でも、事情は変わらなくて。
    私が学生のときも、そして今もプチ・ウラジミール君がウジャウジャいますね。
    時代が変わってくれることを願います。

    1. 鈴木一広様

      コメントありがとうございます。
      時代は変わっています。確実に。
      しかし、過去このような指導を受けて大人になった一部の指導者たちによる指導が残っているのです。
      今の子たちが大人になった時、新たな音楽の世界が待っているでしょう。
      私はその手助けをすることで、音楽のすばらしさを伝えていきたいと思っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。